
2月5日(木)~2月9日(月)の5日間、染織こうげい神戸店にて【「久呂田明功」江戸解友禅 と 辻ヶ花染展】を開催いたします。


久呂田明功(くろだ みょうこう)は、江戸解(えどとき)友禅の正統な技法を継承する染色作家です。江戸解友禅は、下絵に沿って真糊(米糊)を用いた防染を施し、筆による手描きで彩色を重ねていく技法で、糊置きの精度や線の強弱、色の滲み方に至るまで、すべてが作家の感覚と経験に委ねられます。久呂田の作品は、古典に根差した技法を大切にしながらも、過度な装飾を避け、色数を抑えた構成によって、着る人の佇まいを引き立てる静かな美しさを備えています。きものとして身にまとうことで完成する、奥ゆかしい表情が魅力です。

一方、新潟県十日町に工房を構える根善織物の辻が花染は、室町から桃山時代に隆盛した辻が花の世界観を、現代に伝える染織表現です。絞り染を基調に、墨描きや暈し染を重ねることで生まれる文様は、偶然性と計算が交差する独特の表情を持ち、一点一点が異なる景色を描き出します。柔らかなにじみや余白の使い方は、自然の移ろいや時間の流れを感じさせ、華やかさの中に静けさを内包しています。



本展では、久呂田明功による端正で緊張感のある江戸解友禅と、根善織物が手がける辻が花染という、異なる技法と美意識を併せてご覧いただけます。双方に共通するのは、素材と真摯に向き合い、きものとしての「着姿」を強く意識した創作姿勢です。技法の違いが生み出す表情の対比を、ぜひ会場にてご体感ください。
御所解(ごしょどき)と江戸解(えどとき)の違いについて
御所解と江戸解はいずれも手描き友禅の流れを汲む技法ですが、表現や美意識に違いがあります。御所解は、公家文化の影響を受け、雅やかで装飾性の高い文様や、金彩・刺繍を用いた華やかな表現が特徴です。一方、江戸解は武家文化を背景とし、真糊による糸目を生かした端正な線描と、色数を抑えた落ち着いた構成を重んじます。華と簡素、それぞれの文化が生んだ美意識の違いが表れています。
さらに両者の違いは、着用する場面や意図にも表れます。御所解は儀礼性や格調を重んじ、晴れやかな場での着用を想定した意匠が多く、画面全体に物語性や華やぎが広がります。一方の江戸解は、日常の延長線上にある美を追求し、余白や間を生かした構成によって、着る人の佇まいそのものを引き立てます。同じ友禅の系譜にありながら、「見せる美」と「着て完成する美」という対照的な思想が、それぞれの解友禅を形づくっています。
季節のきもの時間が楽しくなるこの頃。作品との出会いを、神戸店でゆっくりお楽しみください。
📍【会場】染織こうげい神戸店
〒650-0021 神戸市中央区三宮町2-5-12
☎ 078-333-5185
🕐 営業時間:11:00~18:30(火曜定休)
ホームページ:https://someorikougei.com
Instagram:someori_kougei_official
神戸店公式LINE:@699nagib


