工房ゆみはまの嶋田悦子氏に師事して学ばれた徳永伊都子氏。
手紡ぎの木綿糸を使い、ひとつひとつ丁寧に織り上げられた花織木綿は、渋みのある色合いと素朴な風合いが魅力です。
染めには、日本古来の技法である柿渋染(かきしぶぞめ)を用いています。
柿渋とは、未熟な渋柿を発酵・熟成させた液で染める天然染料。
タンニンを多く含むため、防虫・防水性に優れ、染め重ねるほどに深みのある茶褐色に育っていきます。
太陽の光や空気に触れることで艶と味わいが増し、まさに“育てるきもの”と呼ぶにふさわしい一反です。
派手さはなくとも、時間とともに変化する風合いが楽しめるのは、手紡ぎ糸と自然染料ならでは。



