「山内 咲子作 創作地機本結城紬 のしめ」入荷しました。

素晴らしい結城紬の作品に出会いましたので紹介させていただきます。

創作地機本結城紬  のしめ   山内 咲子作
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出会った瞬間に当社のお客さまにぜひ見ていただきたいと思い仕入れさせていただきました。

この作品には作者の説明書がありますので、そのまま転記させていただきます。

結城は基本的に分業ですので長い間、いずれは制作をしたいと思いながら製織のみをしておりました。
百六十亀甲細工がほとんどで二百の細工物も5,6反織らせて頂きました。
その間感じていたのは、自分が着たいデザインが無いと言う事でした。

本場結城紬は風合いが命だと思っております。
この優秀な反物を多くの人に着て頂きたいと思いました。
本来、結城紬は沢山の着物を着こなした方が最後に行き着く憧れの普段着でした。
しかし着物離れの進んだ昨今、普段に着物を着る事は殆ど無くなりました。
附下は着物の約束事の中では紬を良しとしませんが、時代と共に色々な考え方が有って然るべきだと考えます。

昔、染め屋は縞屋と言われて縞が中心でした。
織物は染物とは違って経糸と緯糸の妙が織りなす技と考えていますので、
その事を基本に、縞と格子の入った作品を創作したいと考えています。

「暈入り格子文様附け下げ」も格子を基本に暈部分だけでも七段階経緯共に染め分けて、綺麗な暈を出しています。格子部分は、多色糸を用い、経絣をぶん抜き(上糸、下糸が絣)にする事によって鮮明な色が出る様に工夫しています。
緯糸との濁りの無い色のハーモニーを楽しんで頂ければと思います。真綿の手つむぎ糸を扱う為、一人で二百工程を経て創る反物は年に二、三反しか創作する事ができません。
ですが、私自身が着たいと思う納得のいく、年齢を問わない着物をコツコツと創作したいと思っています。

 

山内咲子

昭和48に大塚テキスタイルデザイン専門学校を卒業。
東京吉忠デザイン企画室勤務2年を経て、服部節郎紬工房にて26年製織、後半10年は下拵えも習得。
独立して平成14年伝統工芸士に認定。
絣作りの技術を習得、デザインから織までを一人で制作して12年。
結城紬従事年数は38年。

主な製品:製織160~200亀甲細工、創作100帯状、附下(ぼかしタテ絣)

受賞歴:平成 2年 二百亀甲 特選 茨城県知事賞(製織)
平成14年 無地・縞部門 特選 茨城県知事賞(製織)
平成15年 飛柄・帯状縞部門 入選 下妻市長賞(創作品)
平成16年 飛柄・帯状縞部門 入選 下妻市長賞(創作品)
平成17年 飛柄・帯状縞部門 特選 茨城県知事賞(創作品)
平成20年 日本伝統工芸展入賞
平成21年 無地・縞部門 推薦 茨城県商工労部長章(創作品)
平成22年 無地・縞部門 特選 茨城県知事賞(創作品)
平成23年 80細工飛帯100飛・帯状部門 入選 茨城県議会議員賞(創作品)
平成24年 80細工飛帯100飛・帯状部門 特選 茨城県知事賞(創作品)

 

 

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